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断片的、あまりに断片的な

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コレクター

          
「・・・モノを集めることに尋常でない執着を見出すということのうちには、また格別の意味がこめられている。対象が人ではなくモノであるという事実に対しては、いうまでもなく、自分の意のままになるものを相手とすることで、退行的な安心感が得られるから、という説明が成り立つだろう。・・・
しかし集めるという行為は、ポジティヴに見れば、確かに自己所有への強迫観念とみなせるのだが、ネガティヴに見ると、その特定のモノがもともと置かれていた関係の剥奪という意味をもっている。モノを自分の下に集めるというのは、そのモノが本来何々のためにあるという、共同社会の了解のシステムを断ち切ることである。
あらゆるモノは、まったく何の役にも立たない路傍の石ころも含めて、人間のまなざしにとらえられて初めて、「あるモノ」なのであって、それは、必ず人間の共同的な意識の体系の中で、ある位置を与えられている。自分の下に「集める」ことは、個々のものがそのようにして与えられている人間的・共同的な意味を拒否することである」

小浜逸郎 『男はどこにいるのか』


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