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断片的、あまりに断片的な

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“のろ”のろな、「自然食」

ゴールデン・ウィーク前のことだが、吉祥寺のライブハウス居酒屋「のろ」に行ってきた。76年に開店したこの店は、70年代の「吉祥寺フォーク」とやらの中心となった場所で、店内の壁には故高田渡らのポスターやら古めかし雑誌の切り抜きなどが貼られている。ブルース・ブラザーズら外タレもお忍びでやってきて、何曲か歌って帰って行ったという老舗である。

私らが行った日はライブがなかったが、そもそもスタート時から週1というライブのペースであったようだ。オーナーの加藤氏ともともと知り合いだった高田渡が「毎日ライブで埋めない方がいい、週一のほうが絶対いい」と言ったからだとか。ハレとケをきっちりさせておきたかったのかわからないけれど、「毎日音楽演ってればいいてもんじゃナイサ」といった、音楽(ライブ)だけでなくそれを取り巻くライフスタイルの提示をしているように感じられる。

そんなライフスタイルの提示は食にもあらわれている。週1ペースのライブとなれば当然その他のこと、つまり飲食で稼がなくてはならず、バラエティに富んだ食事が楽しめる。表の看板には「自然派」だかそんな文字がおどっているが、オーナー加藤氏いわく、とくに「自然食」を意識したりそれを売りにしているわけではなく、「普通」の食材も使う。ただ、調味料はきちんとしたものを使うという。

「無理せずやる」というとナイーブな言い方になってしまうが、要は自分で考えて取り入れ、実践するということである。ちょうどこの日、エコ関係の仕事に転職したいという友人が、「でも体にいいとか、環境にいいとかいう食品はどうしたって高いから・・・」と言っていたが、このような愚痴(?)を耳にすることは少なくない。「所詮ブルジョア(!)のお気楽な娯楽にすぎない!」など。でもそれは「有機野菜を買わなければならない」というどこかの、誰かの文句に忠実になっているだけなのでは。ライフスタイルはさまざまであるのだから、その実践は異なるものになって当たり前であるし、遠くから運ばれてくる有機野菜より、近くの農薬野菜(という言い方も変ですが)の方がよっぽど良かったりもする場合もあるだろう。

そもそも自分の体にイイと、環境にイイは別。今低迷中のレストラン・キハチがいかに「良い野菜」づくりに力を入れているかというドキュメンタリーを見たが、年中暖房入れっぱなしで、ガンガンCO2排出して、タバコの煙はトマトの発育に悪影響を及ぼすから喫煙者は一歩たりともハウスに入れないという厳戒体制で作られる野菜ってば(後半は単なる喫煙者のグチか?)。そのような点もふまえ、自分で選び取らなければならない。

「森に住めない!ヨガ教室に通えない!高くて買えない!」なんてほざくのはちょっと筋違い。その前にコンビニ弁当、出前のピザ、無駄な車移動等々を改めればいいのではないかと思ってしまう人もいる。「のろ」はうちの大家さん(母)に教えてもらった店だ。で先日、一回り年上のゼミの知人に「のろ」話をしたら、「僕はそこで友部(正人)を見たよ」という。そんな知人宮入氏が今月19日に『ライブハウス文化論 』を出版。そのなかでは、団塊世代のノスタルジアとして利用される昨今のライブハウスについても触れているようだが、「のろ」も5、60代のアマチュア・ロッカーたちに門戸を開いているらしい。査定はあるようだが、「長年続けてきたヒトにはそれなりに、若者には厳しく!」とのことだ。
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