- 2018/04/23
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ー衣・食・文ー 服と酒と文化と
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ふふふ・・・満を持して(?)「居酒屋放浪記」というカテゴリーを追加いたしました。でも放浪のピークは2004年でした。渦中にいると気がつかないが、今思えばあらゆることから逃げ出していたと思われる。駆け込み寺ですか、居酒屋は。
今回は最初なので(スッカリ連載開始気分)、居酒屋のエッセイを数多く出している太田和彦さんの著作をご紹介しよう。実は、本業グラフィック・デザイナーの太田さん。広告系の雑誌「ブレーン」でお見かけしたときは、「ナニ、あんた、すましちゃって!」と思ってしまったのだが。
太田さんは何冊も居酒屋の本を書いているのだが、今回はその中から『完本・居酒屋大全』(小学館文庫1998=2004)をご紹介する。居酒屋の本というと、店の紹介、酒(日本酒)のうんちくなどを想像してしまいがちだ。もちろんそういった要素がないわけではなく、店や日本酒に対する好奇心にも充分応えてくれる本。しかし、この本の面白いところは居酒屋を求めて大人4,5人がぞろぞろとあちこちを放浪している様子、居酒屋でくだらない話やくだを巻いている様子、つまり居酒屋を軸とした仲間たちのコミュニケーションのありかたなのだ。
一応会話文になっているが、それは実際の会話をベースとしながらも太田さんが創作した会話である。ユーモア溢れるやりとりの中に、酒やつまみのうんちくや愛情が織り込まれている。特に、太田さんは突き出しは「タコブツに限る」「タコブツがある居酒屋は良い居酒屋」と本文の中でしきりと言っているので、なんだかやや洗脳されて、この本を読んだ直後に居酒屋行った際、つい普段頼みもしない「タコブツ」を頼んでしまった。日本酒もめったに飲まないけれど、「うーんそうか・・・」などと考え込んでしまった。まぁ、お酒はビールであろうとワインだろうと焼酎だろうと種類は多様だから、凝ると面白い世界なんだろうなぁと思う。凝ってなくたって面白いんだから・・・。
また、かなりふざけた酒採点表や占いの類も笑える。まず酒採点表だが、酒の銘柄に、お色け度と女優イメージを飲み助たちが当てはめていく。太田さんの例を少しあげてみよう。
・澤乃井=まだ娘、紺野美紗子、アッサリめにまとまっているが、どこか個性がないのは東京娘か
・〆張鶴=いい女、吉永小百合、涼しげな風情のなかに品のある旨みとコク。いい酒だナー
・諏訪泉=妖艶、かたせ梨乃、どっしりとした色気があるがバカじゃない。深情におぼれてみたい
・備前酒一筋=まだ娘、秋吉久美子、クセがあるが、その方向が酒本来の気品と違うような
といった感じだ。多分に女性の好みが現われてしまうのは否めない。
職業、階層による酒の選び方飲み方なんてのもある(ブルデューみたいだなぁ・・・)。
・貧乏学生=出没地区・渋谷、挨拶・オス、注文・ビール→チューハイ、話題・ゼミやバイト情報、悪口・問題意識がない(コンプレックス)、翌日・地べたで目が覚め学校へ
・アパレル関係=出没地区・原宿代官山、挨拶・久しぶりィ、注文・ペリエ、話題・「マイケル・ジャクソン行ったァ?」、悪口・センセイですからね(ウラミ)、翌日・身づくろい丁寧だが青い顔
・映画・演劇人=出没地区・新宿下北沢、挨拶・しない、注文・ショーチュー梅割り、話題・批評、悪口・作品に思想がない(ねたみ)、翌日・靴が片方ない
・・・ちょっと古い感あるが作者は1946年生まれだということを頭に入れよう。
また、血液型による行動パターンによれば、私B型は泥酔すると「机の上にのぼって、裸踊りをはじめる」だそうな。まだ未体験なハズ、ですが・・・。
星座別によれば蟹座のわたしは「『キミも何か頼んだら』と言われて、消極的なだけじゃと『ゆでたまご!』とかトンチンカンな注文をする」そうです。ゆでたまごはトンチンカンがすぎるんじゃないか?
とまぁ気楽に笑えて読める本です。いかにも怪しい占いの類が多いのは女性の読み手を狙っていたのかナァ・・・。
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