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断片的、あまりに断片的な

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車内の小説家

最近、以前よりも1本遅い電車に乗るようになった。以前は国分寺~新宿ノンストップという、閉所恐怖症者は絶対乗れないような特別列車に乗っていたのでそれなりに混んでいたが、1本ずらすとどうでしょう、かなり車内がゆったりしている。「遅らせている」だけあって、ギリギリ出社になってしまうことも多いのだが。先日は9:34に中央線を飛び出し、山あり谷ありのコースを猛ダッシュ。38分発の京王新線(地下3階)に飛び乗ったのだった。

その1本遅らせた車内で毎度会う人々がいる。中でも目を引くのが、常にどっしりと座席を陣取り、カチャカチャとパソコンで何かを書き付けている男性である。ラフな服装で、見たところビジネスマンではなく、そのお顔の第一印象は大木凡人氏(つまりおかっぱ、丸顔、大きな黒縁メガネ)。

凡人氏の目の前に立ちながら、「何を書いているんだろうナァ・・・」とちょいとヤキモキする日々が続いたのだが、ある日幸運にも彼の隣の席が空き、そこに座ることが出来た。本を片手に持ってのカモフラージュで、「チラッ、チラリ」と凡人氏のパソコンを盗み見するのだが、角度の具合が悪く満足に見れない。あまりジロジロ凝視するのも気まずいし。

そんな状況下でもそれは小説であるということが分かり、さらにおそらく推理系ではないかということが推定出来た(あくまで推定である)。私は推理系の小説をほとんど読まないし、それらの作家さんたちの顔も思い浮かばないから、「えーーまさかまさかの島田荘司氏だったりしたりして」(←なんという貧困なイメージ)なぞと少しワクワクしていた(確認したところ、島田氏ではないことが分かる)。とりあえず、登場人物の名前(涼子、良太)や簡単な状況をインプットして、いつか彼の小説にめぐり逢えることを楽しみにする。とはいえ、その表題は「プロット」になっていたから、これから大いに変更される可能性大なのだが。

そんな凡人氏に何日か会わない日が続いた。「プロットは車内で揺られながらでも、清書はやっぱり自宅でやるんだろうなぁ・・・」と寂しく思っていたら、先日凡人氏復活。マスクをなすっていた。「ああ、風邪(花粉症?)だったのですね!」と思いつつ彼の目の前に立ち、上からパソコンを覗き込む。横書きだったプロットから一変、縦書きになっている。「これはイヨイヨ清書に入ったのだな・・・」とにんまり。その日は凡人氏の隣が空くことはなかったが、これからは毎日彼の隣を狙っていくつもりである。
おまけ:車内でゲームする2人。
離れていても家族が一緒にゲームに参加出来る現在のゲーム状況下を、あるおっさんが「いい時代になったなぁ・・・」と言うCMがある。私のテレビゲームの印象(小学生~中学生)は大げさに言えば「牧歌的」である。それは両親が子ども以上にゲームにのめりこんでいた、というように当時それは同等に興奮し、遊べるメディアだったからである。ゲーム機が徐々に個別/携帯化した後の、つながり。
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