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断片的、あまりに断片的な

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「呼びかけ」、ふたたび

うちの近くには警察署がある。後ろめたいことは何もないが、その前を通るとき、あるいは警官に会ったとき、何か言われるのではないかと身を硬くしてしまう。私が越してくる前に、我がハウスに警官数名が乗り込んできてパスポートの提示を乱暴に求めてきたらしいが、外国人は(オンボロに住んでいるものは特に)そんな思いをしているのではないだろうか。私は自転車に乗っているときに警戒してしまうわけだが。
 
自転車のライトが壊れた。壊れたのも、警官から防犯登録の件で「呼びかけ」られて、あれやこれやとやりとりをしている時だった。そのときはまだそれほど日が暮れていなかったこともあって、ライトを点けていなかったのだが、それも指摘され、「はいはい点けますよ・・・」などと言ってややぶっきらぼうに、そして力任せにライトに手をかけた。グニャッとおかしな方向にライトが曲がったのがわかった。

 「・・・・・壊れました」と私。
 「・・・・・そのようですね」と警官。
 「・・・・・ライトはそうやって点けるのではないのです」と、ふたたび警官。
 「・・・・・そのようですね」と、ふたたび私。

というわけで、小型の懐中電灯を買って自転車に装着した。シェアメイトから「それ、明らかに警察対策でしかないじゃん!」と言われるほど微少な光しか放たないシロモノであるが。しかし、先日の深夜(ちなみにノン・アルコール)、その自転車に乗って帰ろうとしたさい、懐中電灯の電池が切れているのに気がついた。とりあえず今夜はこのまま帰ろうと自転車を走らせたが、途中に交番があり、そこから警官がちょうど出てくるのが見えたので、慌てて自転車から降り、歩いて自転車を引いた。当然、かもしれないが、この私の身体の動きは怪しさをたっぷり匂わせていたようで、案の定「ちょっとスイマセン」と「呼びかけ」られる。

先回の長々としたやりとりにはうんざりさせられたし(長引かせたのは私だが・・・)、交番の目の前という相手の陣地内だったこともあって、比較的質問に素直に答える。「今の動き、やっぱり怪しかったですかねぇ・・・」「いやいやそういうわけでは・・・」などとやりとり。「これから何処に行くんですか?」という質問には「関係ないだろ」と思ったが家に帰ると答える。この質問には「お茶目な」返答をしてもよかったかもしれない。「ホストクラブに行きます」とか。ああ、ダメだ。風営法ではホストクラブの営業は12時(ないし1時)までだった・・・。警視庁はここ数年、取締りを厳しくして「浄化作戦」を進めている(早朝営業を行うホストクラブが増えたことは耳にしたことがあると思う)。「茶目」を言うにも慎重にならなければならない。

無事に自転車が私のものであることが確認され、しっかりライトが点いていない件も指摘され(ただしそこにはそれほど関心を持っていなかった)、一連の尋問が終わったので、さぁ帰ろうとペダルを踏み込もうとすると、警官が言う。
 
 「あの・・・失礼ですが、20代ですよね?」

そんなこと知ったことかと思ったが、「・・・そうですが」と答える。

若者夜間外出禁止令・・・???イヤ、私は「若者」ではない・・・とブツブツ考えていると驚きの答えが返ってきた。

 「警察に就職する気はありませんか?」

警察に就職したい人は、深夜、無灯火自転車に乗って交番の前で怪しい行動をとってはどうだろう。20代までに限るようだが。
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