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断片的、あまりに断片的な

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藤森建築と路上観察@東京オペラシティーアートギャラリー

建築史家/建築家の藤森照信さんとその仲間たちによる展覧会「藤森建築と路上観察」。藤森さんが作り上げる建築は、自然と建物の共存がテーマ。自ら木を切り、削り、壁土を塗って作り上げられた作品の写真や、木を削る際の道具、様々な方法で削られた木、多様な壁土などが展示されている。
気に入ったのは「焼杉」(焼き過ぎ!)を使用した建築。関東にはない関西独自の方法らしく、表面を焼いた方が丈夫になるという。当然真っ黒、炭、である。途中、焼杉で出来た壁に少し空けられた窓から、靴を脱ぎ、身をかがめて通り抜けなければならない箇所があるが、学芸員さんに「少し触れただけでもとても汚れますので注意してください」、と言われる。われわれの身体への懸念もさることながら、汚れたヤツが館内をフラフラされるのがたまらんのだろう。館内に入るときも、噛んでいるガムを出せ、と言われる。なんでも、ガムを噛んでいた人が咳き込んで、ガムが口から飛び出し、作品にくっついてしまったことがあるという。と、私の前の人が注意を受けていたので、私はカミカミする口を抑えて入館した。しかし別のフロアに移動した際はすっかり気を抜いていたので、まんまとばれた。なんだかなーと思いつつ、おとなしく手渡されたガム捨て用の紙に噛んでいたガムをくるむ。

宙に浮かんだような「高過庵」(写真)、2階の部屋がでっぱっていてこれまた危ういバランスを見せる家、縄編みの家(これは館内で体験できます)などを見ながら、小学生のころ読んだ「たくさんのふしぎ」という小学生向けの絵本シリーズを思い出していた。そこで描かれていた近未来的なさまざまな建物に通ずるものを藤森作品に感じたのである。都市が忘れたものによって、新たなものを作り出す藤森さんは、自身の姿勢を「未来ではなく過去に向っての前衛」であるとしている。なるほど、と自分の中で納得する。
「焼杉」の家といい、「高過庵」といい、「タンポポハウス」といい、そこには藤森さんがテーマとする自然と建築の共存の難しさ、というかめんどうくささというか、不自由さが表現されている。触ったら真っ黒になる焼杉、茶道具を運ぶのがいかにもおっくうそうな茶室、植物の維持がとってもめんどう臭い屋根(植物を建物に取り入れいるのは今だうまくいかない、とのこと)・・・など。快適な、合理的な暮らしに対するアンチテーゼである、そして昨今ブームのナチュラルライフに対しても。暮らすことはめんどうである、ましてや自然とともにとなれば!


人類破滅後の東京のジオラマがあって、腐海(?)には燃えて黒くなった東京タワーが倒れている。大地には何やらこんもりとしたものがピョコピョコ。まるで男根のように盛りあがった土である。やがてそこから緑が再生していくのだ。そんな土盛が館内でもピョコピョコ。草の匂いがする。そうか、土か。土の死が地球を殺す、土が再生すれば地球再生、ですか。「汚れているのは土なんです!」(BYナウシカ)。あ、でも書いててちょっと思ったのは、再生させるのは男根か(笑)、変な読みしすぎでしょうか。

同時開催の、藤森さんもメンバーの路上観察学会の展示。南伸坊、赤瀬川源平らによる、「無意味・無用な美」の観察写真に触れる。これまた合理主義への批判をユーモラスに展開していた。こういった「無意味なもの」へ愛ある眼差しは、みうらじゅんなどに引き継がれていると思うが、現在ではそれは消費主義(コレクター、オタク?)に結びついているのが大半だろう、と思うのだが。

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