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断片的、あまりに断片的な

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ロマン・デュリス祭り―『真夜中のピアニスト』『スパニッシュ・アパートメント』『ガッジョ・ディーロ』

1e0eba70.jpg ジャン=ポール・サロメ監督の『ルパン』を見て以来、俳優ロマン・デュリスがお気に入り。『ルパン』のチラシを見たときは、「うさんくさいやっちゃな~」と思っていたのだが(なんといっても“ちょびひげ”)、そのうさんくささが怪盗ルパンの役どころに妙に合っていた。
 ルパンと言えば、ポプラ社から出ている小学生向けの「怪盗ルパンシリーズ」(モーリス・ルブラン)。幼き頃に何冊か読んだことがある方も多いと思うが、私は同じポプラ社でも「怪人二十面相シリーズ」(江戸川乱歩)一筋だったので、恥ずかしながら「ルパンシリーズ」は一冊も読んだことがない。あの「ルパン3世」がここから来ているということすら随分後に気がついたぐらいだ。
 ベースとなるのは『カリオストロ伯爵夫人』。怪盗になる前のひよっこルパンが、妖しい魅力を持つカリオストロ伯爵夫人と恋をし、敵対する。殺されたと信じ込んでいた父親が、敵となってルパンの前に現われる。父を乗り越えるための戦い。

d687fccc.jpg と、いうわけで、ロマン・デュリス主演作品を立て続けに見た。
 ジャック・オーディアール監督の『真夜中のピアニスト』はここ数ヶ月ずーっと見たくてウズウズしていた作品。こちらも好きな俳優ハーヴェイ・カイテル主演の『マッド・フィンガーズ』(1978年アメリカ)のリメイクである。
 主人公トム(ロマン・デュリス)は、ネズミをアパートに放したり、寝ているところに奇襲をかけたり、窓ガラスをたたき破ったりなどかなりアクドイ手段で住民を追い出し、土地開発を行うという不動産ブローカー。ひょんなきっかけで何年も前にやめたピアノを始め、とあるオーディションを受けることとなる。昼は殺伐としたブローカー、そして真夜中はピアニスト。
 

597f4340.jpg 中国人の音大学生のもとでレッスンを受けるトム。フランスにきたばかりの彼女は全くフランス語が話せない。少しの英語、たくさんの「間」でのコミュニケーション。そんな状況にときに苛立ち、フランス語と中国語で言い争ったりもする。
 レッスンが終わるとお茶を飲んで一休み。当然会話も少ない。目に付くものを次々と指差しながら「コレをフランス語でいえる?」とミニフランス語レッスン、「ひどい発音だな」などと言いながら。
 この2人のコミュニケーションのあり方の変化をもっと深く描いて欲しかったしそれを期待していたのだが、この映画もまた父との複雑な関係といった大きなテーマが横たわっている。静と動、2つの自分の間で揺れ動くトムトム。
 オーディション当日に「こんなはずじゃなかったのに!」と思うように弾くことの出来ないトムの姿を見て、以前ピアノを習っていたときのことを思い出してしまった。私もピアノの発表会で1オクターブ下から弾きはじめてしまったり、途中からなぜか1オクターブ上になってしまって最後の音が足りなくなってしまったことがあった(適当にごまかしたけど)。

2b5a4654.jpg セドリック・クラピッシュ監督と4回目のお仕事となる『スパニッシュ・アパートメント』。主人公グザヴィエが留学先スペイン(バルセロナ)で、イギリス、アメリカ、スイス、ベルギーなどさまざまな国籍の学生たちと同居。ドタバタ青春映画といった感じ。留学を終えてフランスに戻り、父親が敷いたエリートレールに乗ってみつつも、ドタバタ同居暮らしが染み付いたグザヴィエは小説家になることを決意する、という自分発見したところで終わり。続編『ロシアン・ドールズ』、さらにシリーズ3作目も。
 舞台となるスペインは雲ひとつない青空。カラフルな建築物。スペインに行った友人が「移住計画をした」と言っていたのを思い出す。もちろん、キレイな部分だけで街が成り立っているはずもない。フランスから来た女性が「スペインって臭いし、汚い」と言う。グザヴィエは「パリだってそうじゃん」と一言。
 大学の授業ではカタロニア語しか話さない教授が出てくる。留学生は「標準スペイン語でしゃべってください!」と抗議するが、「だったらマドリッドへ行け!」とアッサリ断られる。複雑なヨーロッパの在り方をかいま見れる。

c507d0d2.jpg トニー・ガトリフ監督の『ガッジョ・ディーロ』。「ガッジョ・ディーロ」はロマ(ジプシー)語で「よそ者」の意味。音楽研究家の父が残したカセットテープを手がかりに、ミュージシャン、ノラ・ルカを捜し求めてルーマニアのジプシー村を訪れるステファン。言葉がまったく通じない村の人々との生活。
 ヨーロッパの民族の多様さ、そこでの差別問題に迫った作品。ほとんどが素人、現地の人々が出演している。
 オリエンタリスティックに、現地の音楽を賞賛、録音・記録するパリ出身のステファン。でも最後に「オレってバカだったな・・・」とつぶやきながらテープを壊し、土に埋める。そして踊る、頭の中で鳴り響くロマ音楽に合わせて。
 監督、トニー・ガトリフはロマの血をひいている。そういえば、ジプシーについて卒論かいた友人もいたなぁ。

 
0b783cdb.jpg 偶然にも今回見た作品は、どれも言葉の不自由さがつきまとっている。『真夜中~』中国語、『スパニッシュ~』スペイン語・その他、『ガッジョ~』ロマ語。さらに言えば、父の存在も主人公の行動を左右する重要な存在として描かれている。

 ロマン・デュリスは「フランス一モテる男性」なのだそうだ。「あーそうかい」といったかんじだが、ハリウッド俳優(映画)と比べてしまうとどうしたって影の薄いフランス俳優(映画)だが、コンスタントに映画に出ているということは、やはり売れっ子なのだろう。
 3月15日から日本で行われる「フランス映画祭」では最新作『モリエール』が上映される。まだチケットが残っているそうだが、残念ながら六本木まで行って、コミコミの会場で見るほどほれ込んでいるわけではない。まだ見てない作品もあるし、ゆっくり復習します!




cff1c228.jpge98afa07.jpg"ARSENE LUPIN"
監督:ジャン=ポール・サロメ
出演:ロマン・デュリス、クリスティン・スコット・トーマス 
2004年フランス/イタリア/スペイン/イギリス






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"DE BATTRE MON COEUR S'EST ARRETE"
監督:ジャック・オーディアール
出演:ロマン・デュリス、ニールス・アルストラップ
2005年フランス








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"L'AUBERGE ESPAGNOLE"
監督:セドリック・クラピッシュ
出演:ロマン・デュリス、ジュディット・ゴドレーシュ、オドレイ・トトゥ
2002年フランス/スペイン










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"GADJO DILO"
監督:トニー・ガトリフ
出演:ロマン・デュリス、ローナ・ハートナー
1997年フランス/ルーマニア








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