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断片的、あまりに断片的な

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ロバート・アルトマン『バレエ・カンパニー』

altman.jpg 「マッシュ」「ザ・プレイヤー」「ショート・カッツ」などの名作を世に送り出したロバート・アルトマン。昨年の11月にお亡くなりになっていることをつい先日知った。ガンの合併症だとか。享年81歳。
 今から4、5年ほど前にアルトマンが撮った映画(第39作目!)が『バレエ・カンパニー』である。実在するシカゴのバレエ・カンパニー「ジョフリー・バレー・オブ・シカゴ」を舞台に、バレエ・ダンサーたちの日常をドキュメンタリー・タッチで描く。
 中心人物はホラー映画「スクリーム」シリーズでおなじみのネイヴ・キャンベル。もともとバレエを習っていたこともあって、なかなか美しい踊りを披露してくれる。その他のダンサーは全てジョフリー・バレー・オブ・シカゴの現役ダンサーたちである。

018ae05a.jpg アルトマンといえば群集劇だが、今回もカンパニーというだけあって多くの人びとが作中に登場する。ネイヴ扮するレイという女性が一応中心で動くのだが、あくまでもこれは1つのバレエ・カンパニーの話。レイを取り巻く人びとの日常が切り取られ、そしてつながれていく。恋愛のゴタゴタやライバルとの争いなども少し描かれるものの、それらが大きな物語を構成していくわけでもなく、単なる日常の一コマ一コマとして提示される。「何かが起こって何かが終わる」のではなくて、「常に何か起こっている、そしてそれは淡々と繰り返される」、それがアルトマンが描き出したバレエ・カンパニーである。

 中盤、レイ(ネイヴ・キャンベル)が舞台でソロで踊るシーンがあるのだが、これがまた長い。映画を締めくくるカンパニー全体での公演シーンも長い。なんだか、ダラダラと引き延ばされているように感じられるダンスシーンなのである。チラシやパンフレットなどには「アルトマンが出会った究極の美、それがバレエ」などとうたわれているが、実はアルトマンはバレエに全く興味がなくこの企画を嫌がっていて、イヤイヤメガホンをとったという話もきく。その話を聞いていたからだろうか、今とらえている映像に対しての、カメラの後ろからの情熱といったものは伝わってこない。「はいはい、踊ってますね、じゃ、撮りますね」という視点。

23eca83c.jpg 映画終盤のカンパニーの公演。モダンダンスなのだが、これがまた、滑稽な被り物、大げさな舞台装置や演出などあまりにチープ。「悪意があるんじゃないの?」と思わずにはいられない趣味の悪さだ。
 そのダンス公演でレイは、ステージから舞台袖に倒れこんでしまう。急遽代わりに踊ることになったダンサーの踊りを袖から見つめるレイ、それがラストシーン。
 カンパニーの予算の問題や、演出家との折り合いなど様々な問題が描かれるが、それらもさらっと流されており、始終淡々とした視線。その語り口は非常に「客観的」に思えるが、バレエに対する興味のなさ、そんなアルトマンの「主観」で作りあげられた一本なのだろう。





4f2ed259.jpg『バレエ・カンパニー』
"THE COMPANY"
監督:ロバート・アルトマン
出演:ネイヴ・キャンベル、マルコム・マクダウェル、ジェームズ・フランコ
2003年アメリカ/ドイツ







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