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断片的、あまりに断片的な

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フィリップ・ドゥクフレ『ソロ』―天王洲銀河劇場2006.11.26,29

57d5b923.jpg  「ソロ」ときけば当然1人のダンサーによるパフォーマンスが想像されようし、確かに出演者のクレジットもフィリップ・ドゥクフレ1人。しかし副題は「ソロなのにひとりじゃない(英語ではthe doubt within me)」。じゃあ一体他に誰がいるというのか?

 
 何もこむずかしいことではない。まず照明に照らされれば当然影ができ、照明の当て方によって影はあらゆる方向に飛び回る。そんな影と戯れる。影を生み出しているのはまぎれもない自分の身体のはずだが、逆になんだかその影に自分の身体が翻弄されているかのようである。
 そして舞台上のスクリーン上に幾重にもなって映し出された自分と踊る。スクリーン上の「doubt」な自分とまったく同じ動作をする私、だまし絵であり万華鏡だ。
 また、分節化され客体化された自分の身体とも戯れる。小さなスクリーンの後ろに立ち、下半身だけを客席に見せ上半身はスクリーン上に影となって現われる。足元に設置されたカメラによってとらえられた足の動きの映像と、上半身の影が同時にスクリーンに映し出されるのだが、まるでそれらの動きが全く別のものであるかのような錯覚を覚える。影はスクリーン上に映し出された自分の足をもてあそぶ。足もそうだが、手の指など普段は細かに見ることの出来ない(見ようと意識していない?)身体の部分部分の動きを見せていく。

58af03f7.jpg ドゥクフレは自分の作品をダンスというよりも「スペクタクル」と捉えており(ドゥクフレによる自伝的映画「プラネット・ドゥクフレ」1998/フランス参照)、これまでもワイヤーを使った空中ダンスを見せたりするなど、視覚的な驚きを呼び起こすような作品を多数作ってきた。サーカス学校で学んでいたという経験が反映されているのかもしれない。今回の来日インタビューにおいても、「そもそもの始めから、音楽、照明、映像、ダンスが僕の作品の中心だった。それぞれはどれかが突き抜けることはなく、一緒に成長していった。一つ言えるのは、僕は振付家というよりは演出家(artistic director)であるということ」と語っている。そういった意味においても「ソロなのにひとりじゃない」のである。
 「僕は舞台で踊るひとりのダンサーであるけれど、本当の意味で一人ではない。なぜならトロンボーンを演奏するミュージシャンもいるし、舞台外ではあるけれど、カメラマンがライブ映像を撮影している。彼らがいるから僕は一人じゃなくてカンパニーなんだよ」。

 

0d0b7b3f.jpg 一回目を見て映像的に興味深かったので、是非映像関係の仕事についている友人にも見てもらいたいと思い、結局今回の公演は2回見ることとなった。それでも私は学生証を持っているので、2回見ても、通常料金の一回分で済んでしまう。学生であればダンスはほぼ半額で見られる。国から援助を受けているがゆえの、「ダンス」というジャンルにおける学生料金システムであり、つまりダンスは国から「お芸術」と認められているわけだ。ポピュラー・ミュージックは教科書に載ろうが、総理が肩入れしようがそうはいかない。そういった意味では、どんなポピュラー・ミュージックでもいまだ「サブ・カルチャー」なのかもしれない。
 ところで、おもしろかったのは客の反応の違いである。一回目は日曜日の昼だったのだが、わりとシーン・・・としていて「お芸術」を真剣に見ているというような雰囲気だった。そのわりには演目が終わるとなれば「ブラボー!」との声があがる。シアターにおける儀礼をきっちりと守っているかのようだ。
 
それに対して2回目は平日の夜の公演。そのときは、ある一つの動作に対して拍手や歓声、笑いなどかなりにぎやかだった。パフォーマーの方であれば、オーディエンスの反応の違いを毎回感じているのかもしれないが、同じ演目を2度以上見るという経験がほとんどない(RADIOHEADのライブは2夜連続行ったことがあるが・・・)私にとっては、その反応の違いはちょっとした驚きだった。まるで違う演目を見たかのようであった。
 夜の部では、ロビー内のバーで販売されているグラスワインやシャンパン、ビールなどのアルコールを、公演前に楽しんでいる人が多かったというのが関係しているのだろうか。私もせっかく(?)なので、ギネスビールを楽しませていただいた。

 

6e0d484e.jpg フィリップ・ドゥクフレPhjllipe Decoufle61年パリ生まれ。15歳の時にサーカス学校でパントマイムやアクロバットを学ぶ。その後レジーヌ・ショピノやマース・カニングハムなどのカンパニーで学び、83年には『バーグ・カフェ』でバニョレ国際振付コンクールに入賞。同年、自らの「カンパニーD.C.A.」を結成する。92年にはアルベールビルの冬季オリンピックの開・閉会式の演出を担当し、国際的にその名を知らしめるようになる。映画製作や、ミュージカルやCMの演出などダンス以外の分野でも活躍している。

 

 

 

オフィシャル・サイト DCA 
→ドゥクフレが手がけたNEW ORDERのビデオクリップ"TRUE FAITH"

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