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断片的、あまりに断片的な

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「オトメ」の映画―『下妻物語』『笑う大天使(ミカエル)』

先回の『犬神家~』でナイス演技だった、深田恭子主演の『下妻物語』。東京にそれほど遠くはない茨城県の下妻に住む、オトメたちの実践をユーモラスに捉える。深田恭子演ずる桃子はフリフリロリータちゃん。東京は代官山にあるロリータファッションブティックに行くために、どこまでも続きそうな畑のあぜ道を、レースたっぷりのドレスに日傘をさして歩いていく。頭のなかはロココでいっぱいで、友達なんかいなくても可愛いお洋服さえあればイイ。対する土屋アンナ演ずるイチゴは、服は近くのジャスコで買う下妻という土地にどっぷりのレディース少女。そんなイチゴは仲間意識に熱く曲がったことがダイキライ。そんな2人がヴェルサーチのばったもんの売り買いを通して出会うことになる。

ロリータといえばメッカたる原宿にに目が向けられがちだが、面白いのは原宿での実践ではなくて、そこに至るまでの彼女達の文字通りの道のりだったり、近所の人たちからの目やちょっかいをやり過ごしたりすることも含めての、田舎町でのライフスタイル。桃子の美意識には程遠いイチゴとも、イヤイヤ付き合わなければならない状況がそこにはある。
土屋アンナは「地か?」と思うほどヤンキー役を好演。伝説のレディースを演じた小池栄子と並ぶと、その上手さがよくわかる。深田恭子は上手いってワケじゃないんだけど、ブリブリっぷりがハマッてました(喧嘩シーンでは失速してた感じなので、やはりウマイとは違うんだろうなと)。監督の中島哲也氏はCMディレクター出身ということもあって、ユニークな映像作りで魅せる。で、これは『嫌われ松子~』でもいかんなく発揮されている。
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原作ものが続きます。『下妻~』は小説ですが、『笑う大天使(ミカエル)』は川原泉さんの同タイトルのマンガの映画化。私は中学時代から川原先生のマンガが大好きで、よく読んでいました。そのようなファンが、映画化された作品に好意的でないのは世の常なのかもわかりませんが、これはいけない、悪すぎます。

川原さんが「私はいつも性格の良し悪しを問題として描いていると思う」と述べているように、川原作品の魅力は、緻密なキャラの描写にアリ。ストーリーというより、「ごきげんよう」「〇〇様、クッキーいかがでございますか、オホホ・・・」といったお嬢様学校の世界からは大分はずれちゃってる、ほのぼのしていてユニークな3人が繰り広げる何気ない会話や、エピソードが最大の魅力なのだ。しかし、この映画では、どう描かれていたか、どのようなやりとりやシーンがあったか全く思い出せないほど、彼女らは希薄なキャラ。主役の上野樹里以外はその他大勢にすぎなく、顔も思い出せない。
ボケボケと時間が流れる川原ワールドを、時間の流れがきっちり決まった映画というメディアでどう描くのか興味深かったが、蓋を開けてみれば、主人公の史緒(上野樹里)のCGによる戦闘シーンが長く続いたり。確かに戦闘シーンは映画化するにあたって、取り上げやすい部分であったろうと思うけれど、面白いのはそこじゃぁないんだよ!!

しかも迫力の無い、「マンガ」のようなその戦闘シーンは、ひどく陳腐(ベタ)だ。でもそれを「ベタ」と見ずに「ネタ」とみる「メタ」的アイロニー(北田暁大)、簡単にいえば「わざとチープなんだよってところがわかんなきゃ」というノリが全開で、見てて顔がひきつる。つくづく2チャンネルノリ、わかりません。こちらの監督の小田一生さんも映像ディレクター出身だとかで、秘密の花園たるお嬢様学校を、あるいは独特な川原ワールドを、あの手この手で表現しようとしているが・・・。ソコじゃないんだよね、と。あと、菊池凛子さんがチョイ役で出てますが、お嬢っぽくなかったなぁ。すきっ歯が原因かしら。


『下妻物語』
2004年/日本
監督:中島哲也
出演:深田恭子、土屋アンナ、宮迫博之、篠原涼子、阿部サダヲ、岡田義徳
コピー:わたし根性ねじまがってまーす


『笑う大天使(ミカエル)』
2005年/日本
監督:小田一生
出演:上野樹里、伊勢谷友介、関めぐみ、平愛梨
コピー:ようこそオトメの園へ


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