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断片的、あまりに断片的な

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ある「呼びかけ」の風景

 警官が「《おいそこのお前!》と呼ぶと、それが自分のことだと信じて/そうではないかと考えて/分 かって、一人の個人が(たいていそれが当の人物なのだが)振り返る」。「呼びかけの機能作用は、個 人がみずからのものだと認識している一つの社会的役割を個人に割り当てることで、彼をイデオロギー に服従させる」
    ―――ルイ・アルチュセール

最寄り駅から自宅までの道をパラリラパラリラ・・・と自転車で進むヨーク。ある交差点に警察官らしき人物が立っているのが見え、すぐに「あ、しまった!」と思ったが、すでに時遅し。「あーちょっとちょっと、そこのキミ!止まって!」と「呼びかけ」られる。

(小雨ぱらつく交差点。30代とおぼしき警察官が用意してあったビニール傘を差し出しながらいう)
「少し話しを聞くから、ええと・・・この傘をさして」
「いりません」
「あ、そう」
「私これまで何回も(この尋問)やってるんですけど」
「あ、そう?でも僕はキミ初めてだから」
「(まったく・・・)」

「じゃぁ名前教えて」
「なんで教えなきゃいけないんですか。個人情報です」
「それで何か悪さするとでも思ってるんですか!」
「だってあなた、見ず知らずの得体が知れない人じゃないですか」
「警察官じゃないっていうわけ!?」
「100%そうじゃないって言い切れないでしょう」
「・・・警察手帳だって持ってますよ、見せたっていいですよ」
「いえ別にいいです、特に疑ってませんから」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・じゃあ、名前言って」
「言う必要はありません。それ、義務なんですか?」
「・・・捜査に協力いただくということですが」
「協力を断ったらダメなんですか?」

(見つめあう二人。しばしのち、30警官はヨークの自転車を舐めまわすように見ながら言う)
「ふーん・・・何か名前を言いたくない理由があるんだ~。なんで名前言えないんですか~?。おかしいですね~」
「(あ、コイツよくありそうなこずるい言い方してきやがる)」

(なんのかんのとやりあっていたら、横断歩道の向い側で張っていた、50代らしきもう一人の警官が助っ人としてやってくる)
「なになにどうしたっての」
「いや、名前言えないっていうんで・・・」
「えーーなんでだね(ジロリ)」
(そんなやりとりをしながらも30警官はヨークの自転車をチェックし、手に持っていた捜査機械にヨークの自転車登録ナンバーを打ち込んでいる)

(ヨークはそんな30警官を横目に、50警官に言う)
「こんな自転車より、あそこ調査した方がいいんじゃないんですか?」
「なんだね、どこのことだね」
「あそこです」
(と、向かいのマンションの一階にある、ある「健康」食品店を指差すヨーク)
「老人に卵やらなんやら配って、高額な羽毛布団買わせる例のやつですよ」
「そんなことは今関係ない!!」
(いきりたつ50警官)

「あんた、どこに住んでるの!?」
「え?そんなこと言うんですか!!」
「だってあんた酒飲んでるだろう(時は深夜1時であった)。飲酒運転だよ、わかってんの!?」
「はい、そうですね」
(開き直ったヨーク、ここで罰金を覚悟する。「支払いは月賦でいいですか?」との答えも用意していた)
「家がここから遠いんなら、自転車押して帰ってもらうから。どこなの?」
「そうですか。すぐそこの○○○○です」
(自宅近辺の通称を答えるヨーク)

「え?それどこ?」
「えー知らないんですかぁ。ここちょっと行って曲がったところですよ。ここで調査しているのに知らないんだー。わー」
(大げさにはやしたてるヨーク。確かに家はここ尋問場所から近い。が、ここら一帯は市と市の境界が入り組んでいる地域。尋問場所と我が家は異なる市だから、おそらく50警官は担当ではない他の市の地理に詳しくなかったのだろう)

「あ、そう。近いならいいよ、気をつけなさい」
(50警官、優しい警官ぶる)

(しかし、この尋問の最重要ポイントは、ヨークの名前を聞き出すことである)
「で、名前なんでいえないの。やましいことでもあるの」
(30警官はさきほどからの作戦を押し通す)
「そうじゃないですよ」
(しかし、もうこのやりとりにも飽きてしまったというか、ハタとバカバカしくなる←もっと早く気づけ?)

「どうなんだ、えっ?」
(と、明らかにヨークを盗っ人と思い込み、にんまりと笑う30警官に、)
「○○○○ですけど、何か」
(捜査機械に情報を打ち込む30警官)
「・・・・・・・・・・・・・・漢字は!?」
「生まれるの“生”に、実るの“実”ですよ」

「・・・はい・・・・・・。ありがとうございました・・・・・・・・・・」
「さよなら」
(パラリラ、パラリラ・・・とヨークは飲酒自転車を走らせるのだった)

こんな警官ばかりではない。知人からヤクザみたいな警察官とのすったもんだ話を聞かされたこともある。あまりにもひどかったその警官の態度を訴えるべく、その血気盛んな知人は後日警察署に出向いたらしいが、そこで偶然にもそのとき会ったヤクザ警官と再会し、またすったもんだやったとか。
市民も警官も、やっかいな奴には気をつけましょうね。

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